2009年10月10日 15:15
板倉雄一郎の本を読んで考えていた。


![板倉雄一郎 エッセイ集Vol.1 「SMU(=Start Me Up)」 [なかなか動き出さない自分へ]](http://ecx.images-amazon.com/images/I/41keuoKR9FL._SL160_.jpg)
![板倉雄一郎 エッセイ集Vol.2 「KISS(=Keep It Simple, Stupid)」 [ ]](http://ecx.images-amazon.com/images/I/41Mj7WuUvlL._SL160_.jpg)
この人は本当に頭がいいし、エネルギッシュ。読んでいて勉強になるし刺激をうける。


![板倉雄一郎 エッセイ集Vol.1 「SMU(=Start Me Up)」 [なかなか動き出さない自分へ]](http://ecx.images-amazon.com/images/I/41keuoKR9FL._SL160_.jpg)
![板倉雄一郎 エッセイ集Vol.2 「KISS(=Keep It Simple, Stupid)」 [ ]](http://ecx.images-amazon.com/images/I/41Mj7WuUvlL._SL160_.jpg)
この人は本当に頭がいいし、エネルギッシュ。読んでいて勉強になるし刺激をうける。
彼は、広告と引き換えにインターネット接続を無料にする「ハイパーシステム」を考案して相当いいところまで行ったのだが、結局ベンチャー企業の特性に合わない「銀行からの融資」という手段で資金調達をしていたことがあだになり、資金がまわらなくなり結局倒産、自己破産という運命を辿った。その経緯は彼自身の著書に詳しいが、興味がある方は以下のウェブサイトを読んでみるだけでもかなり面白い。
ビル・ゲイツに睨まれた男 ー世界初のビジネスモデル
で、彼はその著書の中で、彼自身のビジネスモデル自身が問題で倒産したわけではないと強調する。彼の会社には、後にi-modeをやる夏野もいた。アスキー西も「行ける」と協力した。マイクロソフトのビル・ゲイツも興味をしめした…そんなプロミシングな世界初のビジネスモデルだったのだ。と。失敗の原因はあくまでベンチャーに見合った人/金を集められなかったことにあり、ビジネスモデル自体がまずかった訳ではない…(あえて言うならネット広告という概念が広まる以前にでてきてしまったのでタイミングが悪かった?)
確かに、そうだろう。
で、私は考えていたわけよ。
では、なぜそのビジネスモデルが今現在(少なくとも私の体感レベルでは)そんなにあまねく広がってないのか?これが最近の私の疑問だったんだ。板倉の考えたハイパーシステムはその後、特許を取り、その後も他の事業体の中に組み込まれていたそうだが、すくなくとも、今、インターネット接続において「広告と引き換えに無料」というオプションはあんまりない。
インターネット接続だけではない。広告と引き換えに無料モデルというのは、多くのインフラストラクチャー業界で考案されては、それが一時は取り上げられる。携帯電話の通話でもあったし、インターネット接続でもあった(ダイアルアップ時代、無料プロバイダは結構あったと記憶している。livedoorはもともと無料接続のインターネットプロバイダだったが)、国際電話でもあるし、飛行機なんかでも、どこかで誰かがそういうアイディアをぶちあげているというニュースを小耳に挟んだことがある。
で、現在もそういうサービスを提供している業者はあるけど、そこまで広まってない気がするし、スケールが小さい気がする。
…
それはなぜか?ということを考えていた。
例えば、私がポータブルカーナビの画面に広告を配信し、それと引き換えに、そのカーナビ本体or地図データを無料で提供する、というビジネスを思いついたとしよう。これはあくまで例だが、そこそこ、いいアイディアっぽい。だが、「広告と引き換えに何かを無料にする」というビジネスプランがいまいち「しけてる」とき、その「しけてる理由」が何なのか知りたくなるよね?その「理由」がカーナビシステムにもぶちあがってくるわけだから。
で、考えてて三つくらい要因を思いついたのでメモ。
1)コスト
2)ターゲットの数
3)ターゲットの質
1)広告と引き換えに「無料」になるものが、「情報」なのか、それともある程度サブスタンシャルなインフラストラクチャーなのか。(アドネットワーク構築のために必要な初期コストの大小)
現在広告無料モデルが見当たらない、トランスポーテーションなり、電話なり高速インターネット接続なり…というのは、社会におけるインフラであり、それを整えるのにコストがかかる。それらを無料で提供したいベンチャー企業もやはりそのコストから逃げることはできない。が、まずこのご時世、厳密な効果測定なしでざっくりとスポンサーしてくれるような企業はどんどん少なくなっているし、例え、厳密なクリック保証型課金にしてみたところで、移り気な広告主のスポンサー収入だけをあてに初期投資するのは、あまりにリスクが大きすぎる。広告を取るためには、まずネットワークが必要。相当徹底したネットワークを握って初めて広告で食べて行けるくらいだと思うのだ。例えば今のグーグルがやってるように。Youtubeもここまできて、今からようやく広告収入を取るモデルを確立することに本気になってるという感じ。ってことはベンチャーが、アドネットワークと引き換えに何かを無料提供する場合は、そのネットワーク構築に初期コストがかかりすぎる場合は(ほとんどのインフラネットワークは、その設備投資がかなり大変だろう)、そのビジネスはなかなか成功しないんじゃないか、と。…まぁ、実際には、まったくマネタイズできてなくてもぶいぶい言わせてる企業は一杯あるわけで…広告が取れるようになり黒字になる以前に「大企業に売り飛ばす」なり「公開しちゃう」ことを起業家がとりあえずの目標とするなら、そういう意味の成功はありかもしれないが、ここでは、当初想定していたビジネスモデルがもくろみ通りにワークすることをもって「成功」としたいと思う。
インターネット接続や、携帯電話、飛行機、交通手段、などの多くのインフラが「広告による無料化」できない/しづらいのは、かかる初期コストの大きさに比べて、広告によって得られるであろうキャッシュがどんどん少なくなって来ているので、「リターンが得られる」可能性が低くなっているせい。また、そのくせ広告を売る為に必要とされるネットワークの存在自体はどんどん大きく効果的であることを要求されるようになってきているので、参入障壁も非常に高いから、やっぱり難しいと言うことができる。
(これを逆の面からみることも可能。例えばテレビの衰退や雑誌業界の衰退と対照的に結構元気なのが「フリーペーパー」なのだが、これは、ローカルを対象とした紙媒体のようにある程度参入障壁が低い=初期投資が少なくてすむ場合は、広告=無料モデルのビジネスもまだまだ存在しうることを示しているように思う)
(また、電話やインターネット接続など、普通に参入したらコストがかかってしかたないインフラストラクチャー系のものであっても既存の事業体からネットワークを借りれるなど初期コストを抑えてある程度のネットワークが手に入ることが見込めるのであれば、初めから広告が集まるはず…)
であとは仮説なんだけど
2)ターゲットの数 ー受け手のメンタリティの問題。
これは仮説だが、何がなんでも無料を求めるユーザーはそんなに多くないのではということ。そこそこ豊かな社会においては受け手は結構コストを負担してでも、押しつけのものではなく、ある程度自分の好きなサービスや情報を選ぶのではないか。サービスが無料であっても粗悪なら、ユーザーはそっぽを向くし、ちょっとしたコスト負担でそのストレスが取り除けるならユーザーはそうする。
3)ターゲットの質 ービジネスとしてワークしない。
結局そこまでして何でも無料を手に入れたい人たちというのは、購買力が弱く、クライアントにとって魅力的なターゲット層ではない。だから広告もそんなには集まらない。
…と、こんな感じで、自分なりに考えてみた。
上は、あくまで通信などのインフラを無料化する場合を念頭において書いたが、広告によって「情報」を無料化するビジネスモデルについてもいろいろ考えてみた。それは改めて書く。テレビ、そして雑誌が苦戦している半面、ケーブルテレビやネットフリックス、音楽配信など「コスト」を払って消費者が好きなコンテンツを選ぶビジネスは結構伸びている。そして、フリーペーパー(「テレビ」と同じように広告モデルであり、「雑誌」と同じように紙媒体である!)がなぜか元気であることを考えてみることは多く示唆を与えてくれると思っている。
ビル・ゲイツに睨まれた男 ー世界初のビジネスモデル
で、彼はその著書の中で、彼自身のビジネスモデル自身が問題で倒産したわけではないと強調する。彼の会社には、後にi-modeをやる夏野もいた。アスキー西も「行ける」と協力した。マイクロソフトのビル・ゲイツも興味をしめした…そんなプロミシングな世界初のビジネスモデルだったのだ。と。失敗の原因はあくまでベンチャーに見合った人/金を集められなかったことにあり、ビジネスモデル自体がまずかった訳ではない…(あえて言うならネット広告という概念が広まる以前にでてきてしまったのでタイミングが悪かった?)
確かに、そうだろう。
で、私は考えていたわけよ。
では、なぜそのビジネスモデルが今現在(少なくとも私の体感レベルでは)そんなにあまねく広がってないのか?これが最近の私の疑問だったんだ。板倉の考えたハイパーシステムはその後、特許を取り、その後も他の事業体の中に組み込まれていたそうだが、すくなくとも、今、インターネット接続において「広告と引き換えに無料」というオプションはあんまりない。
インターネット接続だけではない。広告と引き換えに無料モデルというのは、多くのインフラストラクチャー業界で考案されては、それが一時は取り上げられる。携帯電話の通話でもあったし、インターネット接続でもあった(ダイアルアップ時代、無料プロバイダは結構あったと記憶している。livedoorはもともと無料接続のインターネットプロバイダだったが)、国際電話でもあるし、飛行機なんかでも、どこかで誰かがそういうアイディアをぶちあげているというニュースを小耳に挟んだことがある。
で、現在もそういうサービスを提供している業者はあるけど、そこまで広まってない気がするし、スケールが小さい気がする。
…
それはなぜか?ということを考えていた。
例えば、私がポータブルカーナビの画面に広告を配信し、それと引き換えに、そのカーナビ本体or地図データを無料で提供する、というビジネスを思いついたとしよう。これはあくまで例だが、そこそこ、いいアイディアっぽい。だが、「広告と引き換えに何かを無料にする」というビジネスプランがいまいち「しけてる」とき、その「しけてる理由」が何なのか知りたくなるよね?その「理由」がカーナビシステムにもぶちあがってくるわけだから。
で、考えてて三つくらい要因を思いついたのでメモ。
1)コスト
2)ターゲットの数
3)ターゲットの質
1)広告と引き換えに「無料」になるものが、「情報」なのか、それともある程度サブスタンシャルなインフラストラクチャーなのか。(アドネットワーク構築のために必要な初期コストの大小)
現在広告無料モデルが見当たらない、トランスポーテーションなり、電話なり高速インターネット接続なり…というのは、社会におけるインフラであり、それを整えるのにコストがかかる。それらを無料で提供したいベンチャー企業もやはりそのコストから逃げることはできない。が、まずこのご時世、厳密な効果測定なしでざっくりとスポンサーしてくれるような企業はどんどん少なくなっているし、例え、厳密なクリック保証型課金にしてみたところで、移り気な広告主のスポンサー収入だけをあてに初期投資するのは、あまりにリスクが大きすぎる。広告を取るためには、まずネットワークが必要。相当徹底したネットワークを握って初めて広告で食べて行けるくらいだと思うのだ。例えば今のグーグルがやってるように。Youtubeもここまできて、今からようやく広告収入を取るモデルを確立することに本気になってるという感じ。ってことはベンチャーが、アドネットワークと引き換えに何かを無料提供する場合は、そのネットワーク構築に初期コストがかかりすぎる場合は(ほとんどのインフラネットワークは、その設備投資がかなり大変だろう)、そのビジネスはなかなか成功しないんじゃないか、と。…まぁ、実際には、まったくマネタイズできてなくてもぶいぶい言わせてる企業は一杯あるわけで…広告が取れるようになり黒字になる以前に「大企業に売り飛ばす」なり「公開しちゃう」ことを起業家がとりあえずの目標とするなら、そういう意味の成功はありかもしれないが、ここでは、当初想定していたビジネスモデルがもくろみ通りにワークすることをもって「成功」としたいと思う。
インターネット接続や、携帯電話、飛行機、交通手段、などの多くのインフラが「広告による無料化」できない/しづらいのは、かかる初期コストの大きさに比べて、広告によって得られるであろうキャッシュがどんどん少なくなって来ているので、「リターンが得られる」可能性が低くなっているせい。また、そのくせ広告を売る為に必要とされるネットワークの存在自体はどんどん大きく効果的であることを要求されるようになってきているので、参入障壁も非常に高いから、やっぱり難しいと言うことができる。
(これを逆の面からみることも可能。例えばテレビの衰退や雑誌業界の衰退と対照的に結構元気なのが「フリーペーパー」なのだが、これは、ローカルを対象とした紙媒体のようにある程度参入障壁が低い=初期投資が少なくてすむ場合は、広告=無料モデルのビジネスもまだまだ存在しうることを示しているように思う)
(また、電話やインターネット接続など、普通に参入したらコストがかかってしかたないインフラストラクチャー系のものであっても既存の事業体からネットワークを借りれるなど初期コストを抑えてある程度のネットワークが手に入ることが見込めるのであれば、初めから広告が集まるはず…)
であとは仮説なんだけど
2)ターゲットの数 ー受け手のメンタリティの問題。
これは仮説だが、何がなんでも無料を求めるユーザーはそんなに多くないのではということ。そこそこ豊かな社会においては受け手は結構コストを負担してでも、押しつけのものではなく、ある程度自分の好きなサービスや情報を選ぶのではないか。サービスが無料であっても粗悪なら、ユーザーはそっぽを向くし、ちょっとしたコスト負担でそのストレスが取り除けるならユーザーはそうする。
3)ターゲットの質 ービジネスとしてワークしない。
結局そこまでして何でも無料を手に入れたい人たちというのは、購買力が弱く、クライアントにとって魅力的なターゲット層ではない。だから広告もそんなには集まらない。
…と、こんな感じで、自分なりに考えてみた。
上は、あくまで通信などのインフラを無料化する場合を念頭において書いたが、広告によって「情報」を無料化するビジネスモデルについてもいろいろ考えてみた。それは改めて書く。テレビ、そして雑誌が苦戦している半面、ケーブルテレビやネットフリックス、音楽配信など「コスト」を払って消費者が好きなコンテンツを選ぶビジネスは結構伸びている。そして、フリーペーパー(「テレビ」と同じように広告モデルであり、「雑誌」と同じように紙媒体である!)がなぜか元気であることを考えてみることは多く示唆を与えてくれると思っている。














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